気がつけば“えほん”

大人になっても、子ども心を持ち続けている私の心を癒やし、元気をくれる素敵な絵本たち。子どもの頃に出会った絵本。あの時に出会った絵本。今日出会った絵本。私の大好きな絵本たちと私のおはなしです。

未来へ「わたしはひろがる」

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2021年になって、もうあっという間に3ヶ月が過ぎました。
最近、数週間前や1ヶ月前の事であっても、もうそんなに経ってしまったのだーーーとびっくりすることもあり、年齢のせいなのか、何なのかな?と思ったり…(笑)
とにかく時間は待ってはくれないのですね。
3月12日の朝、携帯電話に緊急のアラーム音が鳴り響きました。つい日常に埋もれて生活していると、それが何故響いたのかさえ、しばらくの時間、気付きもしませんでした。
後になって、『あー。今日は、あの震災の日だったのだ』と思い出した私自身に、ちょっとショックを受けました。
忘れていたんだ……と。
あれから10年。
TVをつけると当時の恐ろしい映像や、10年間の間に変わって来た場所などが映し出されていました。けれど、今もなお、被災地が抱えている問題や、人生が変わってしまった人々の映像が流れると、胸を締め付けられる思いになりました。
そんな中でも、家族を失いながらもあの日の現実を語り部として語っている方の紹介を見て、とても心を打たれました。
私達は、どんなことがあっても、前を向いて歩いて行かなければならないんだ…。そのことを、その方が伝えて下さっていました。尊い命を失った、小さな子どもたちがかかげた未来のために…。
ズッシリと、私の心にその方の思いが届きました。
その翌日の昨日、いつもの小学校での、朝の時間の絵本の読み語りボランティアがありました。
今回は卒業を目の前にした六年生のクラスが担当でした。
読んだ絵本は「わたしはひろがる」岸武雄・作 長谷川知子・絵 子どもの未来社でした。
主人公の女の子は、実際の生活の中での成長を通して、自分が世界の中心だった幼い頃から、だんだんと、兄弟や家族や友達などの事を自分の中へ入れていく体験をしていきます。
中へ入れる=その相手の気持ちがわかる。相手の事を考える。その相手に出来ることををしていく。という感じでしょうか?
そうやって、自分の中へ、いろんな世界を入れていき、日本の、世界の、人間以外の生き物の、地球の事を入れていきます。
ページをめくり、話を進めて行きながら、私自身にその思いを満たしながら読みました。
誰よりも自分自身が感動しながら読んでいました(笑)😁
読み終えたあと、一人の少女が思わず拍手をしてくれた姿が目に入ってきて、教室全体が拍手に包まれました。
素敵な絵本に出会えました✨
六年生の門出にふさわしい絵本でした。
そして、この絵本に書かれていることは、子どもたちへのメッセージだけでなく、私達大人自身も、もう一度、振り返って考えるべき思いを届けてくれます。
私達大人も、もっともっと、自分を広げなければならないんだ…。
それは、未来の私達自身のためでもあり、未来の、私達の子孫の為であるんだ。と自分に言い聞かせました。
未来を沢山持っている子どもたちはもちろんのこと、私達大人にも、是非、手に取って読んで欲しい絵本でした。

わたしはひろがる (教室の絵本シリーズ)

わたしはひろがる (教室の絵本シリーズ)

  • 作者:岸 武雄
  • 発売日: 2010/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)